🗐 電装工芸日記 - 舞台照明機器の製作とか -

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2023年6月の投稿(時系列順)[38件]

2023年6月1日 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

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 MUSES02D化したDI-1はとても良い音ですが、どこか物足りない。オペアンプが鳴りきっていないというか躓いているような気がするのです。勘ですが、入口か出口のコンデンサがMUSES02Dに対して性能不足の様に感じます。
 当初はオペアンプの交換に留めようと思ったのですが、コンデンサは安価で元に戻すのも簡単なので試してみようかと。
 別な部品と共にコンデンサも手配しました。

#音の世界
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 気分転換にFIFOを書いてみました。初期設定を含めても50行くらいです。
 ループメモリを非同期で読み書きする構造ですから、それぞれのアドレスカウンタの扱いが肝です。当初悩んだものの、条件を整理すれば案外簡単でした。アルゴリズムの設計大事です。
 こういったモジュールは例外も想定して慎重に動作確認をしなければなりませんが、実機だと確認が難しいのでMPLABXのシュミレータの出番です。ステップ毎のレジスタの変化を観察したいのです。
 MPLABXのシュミレーターは使い方がイマイチわからんのですが、操作メニューが違うだけでやることはv8.92と同じでしょうから、先達の書き込みを参考に探ってみます。

追記
 シュミレーターの使い方は次のサイトがわかりやすい。というか、この通りにやったらシュミレート出来ました。
 MPLAB X の使い方(Simulator編)
 MPLABv8.92とはデザインが違いますが、やっていることは同じなので慣れればいいかなと。PICの中身を知らないと何が何やらですけど・・・
 テスト用に少し書き換えればFIFOの挙動をチェック出来ます。

#PIC
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 FIFOの動作チェックをしました。
 バク無し・・・嬉しいような怖いような。
 FIFOはループメモリです。例えば10個のメモリを使うなら10個目を書いた後は1個目から書きます。これを続けます。読出しも同じ。
 ただ、読出しと書き込みはタイミングがシンクしませんので、読出しが書き込みを追い越さないこと、書き込みは一周以上先行しないことが重要です。これらの確認も出来ました。
 処理のタイミングとしては、読出しはLTCの送出に合わせてになりますが、書き込み(パソコンへのデータ要求とも言う)はメモリが空いたら行います。
 パソコンとの通信速度がLTCの送信速度より十分に速く、パソコン側のレスポンスも十分に早ければタイミングがズレることはありません。たぶん。
 読出しが書き込みに追いついてしまえばデータが無いことになりますので、新しいデータが入るまでLTCを送出しないだけです。

#PIC #タイムコード

2023年6月2日 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

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 FIFOなど、諸々書き加えたファームウェアも正常に動きました。
 自分で書いた送出停止処理の扱いを間違えて信号が出ないことに悩んでしまいましたが、テストプログラムが間違っていただけでした。肝心のモジュール本体は一発OKです。
 今回のPICはパソコンから送られてきたデータを淡々と差動バイフェーズで送り出すだけです。難しいことはパソコンでやれと、PICの名前の由来を考えろと。そんな作りです。
 データを差動バイフェーズで送出することは出来た。データのタイミング緩衝となるFIFOもどうやら正常に動く。残るはパソコンとの通信です。FT232RLを経由したシリアル通信ですが、PIC側はDMXで散々やったことですし、パソコン側はPythonなのでほんの数行で書けます。10分の空き時間で進められるものでもありませんけどね。

 あとはラインセレクタも必要です。
 音響さんからもらう本線LTCと自分のパソコンから送るチェック用LTCの2系統を切り替える必要があるからです。
 セレクタにはJRCさんのNJM2750が良さそうです。単電源で動く電子ロータリースイッチってイメージですね。
 NJM2750はアンバランスのLRを4系統から1つ選ぶって構成ですが、バランスのモノ4系統として使っても良さそう。
 今回はそこまで使わないけど、4系統のラインセレクタ基板を作っておけばいいかな?

#PIC #タイムコード #電子工作
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 LTC Generator のプリアンプは回路を手直ししてOKになりました。
 バイアス電圧を当て、反転増幅回路の出力端子とマイナス端子の間の抵抗と並列に20pFのコンデンサを入れて解決しました。
 波形を示さないとわかりにくいのですが、コンデンサを入れる前は妙なノイズが出ていたのです。音声ではなく矩形波ですから周波数特性はそれほど気にしませんが、ノイズというか別波形が足されている状態はいただけない。
 回路修正用の基板も発注したので、プリアンプはとりあえずOKかな。

#PIC #タイムコード

2023年6月4日 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

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 LTC Generator のPICはFIFOにデータを突っ込んで波形が出力するまでまとまりました。
 内部のテストルーチンによるものですが、データのリレーはシュミレーターで、波形はオシロスコープで確認出来たので、最も面倒な部分が成立した模様です。
 昨日一見動いたものの波形が安定せず悩みましたが、バグを手直しして今は期待した波形が出ています。0x00や0xFFはもちろん他の数値もOK。オシロスコープのトリガが引っかからず波形が読み取れない数値もありますが、この値が確認出来ればいいでしょうって値はいけたので、デバイスドライバ的なところが終わったと言えます。

 今後の課題はパソコンとの通信です。PIC側は過去実績、パソコン側はライブラリに頼れば左程難しくないハズ・・です。パソコンから受信した値をFIFOに突っ込んで期待した波形が出れば重要な機能は完了です。
 完成に至るには、PICからパソコン側にデータ送信の要求を送ったり、コマンドでfpsのモードを切り替えたりと課題は残っていますが、ハードウェアとデバイスドライバ的な部分がまとまればハードルは低くなります。

 ちなみに、今作っているのはシリアルで受信したバイトデータを差動バイフェーズで出力するだけの物ですから、TASCAMのプレーヤーのリモコンと組み合わせることも可能(正しくは不可能ではない)です。曲ごとのタイムコードをユニークする方法を考えなければなりませんが、これはこれで欲しい一品です。
 当然リモコンはフルスクラッチとなりますが、出来るだけ音響さんの環境を変えないためにこういった発想もありかなと。

#PIC #タイムコード
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 以前から考えていたことですが、MTCのデータを差動バイフェーズで送るのはどうかなと。
 データ構成はLTCよりMTCの方が簡単です。通信インフラはMTC(MIDI)より差動バイフェーズの方が選択肢が多く遠距離でも使えます。双方のいいとこ取りをしたらどうかって発想です。
 LTCに比べMIDIの方がビットレートは速いのですが、MIDIを占拠しないためにMTCのデータレートはLTCより遅いのです。通信媒体を占有するならLTCベースでもMTCを送ることは可能です。
 なぜこうするかいうと、専用の通信インフラを使わず、音響さんに迷惑をかけずに音響回線を借りられたら汎用性が高いと思うからです。LTCは電気的には音声信号相当ですからダンテなどのEtherも通せます。
 差動バイフェーズとUARTの変換は作らねばなりませんが、この変換はタイムコードに限らず他の制御にも使えると思うのです。データレートの制限はありますが、MSCをマイクケーブルで送れたらいいなぁ~なんて妄想してます。

#電子工作

2023年6月5日 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

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 LTC Generator の今の課題はPCのPythonからデータを送ってそれに則した差動バイフェーズの波形を出すことです。
 シリアル通信とコマンド処理を書き加えました。シュミレータでは思った通りの挙動をしたので次は実機テストです。
 ですが、この時間なので流石に寝ないといけません。デバグがすんなり終わればいいのですが、夜明けを迎えたら明日に差し障りそうです。
 いささか力尽きましたし、シュミレータでの確認が済んで気分的にも区切りが付いたので今夜は終わりにします。
 明晩、Pythonでシリアル通信して挙動を確認します。思った様に動けばPICのファームウェアは投了です。

#PIC #タイムコード
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 改造したDI-1の主要なコンデンサも変えてみました。音響用として評判が良いニチコンのコンデンサ達です。
 MUSES02Dにしても改善されなかった特定の響きがスッキリと抜ける様になりました。特にガットギターの音源では使い古した弦と新品の弦くらい響きが違います。
 ダイレクトボックスは楽器の音声信号をミキサーに入れるためのレベル変換ですから、演奏者が奏でるニュアンスを出来るだけ正確にミキサーに渡すのが仕事です。この改造の発端はDI-1を通すと正確さに掛けるのではないか?という疑問からです。何を以って正確かというと難しいですが、「DI-1なら弦を新しくしなくてもよかったなぁ~」などと演奏者に言われてしまうならば正確ではないのだろうと思っています。イメージとしては、高域を膨らますというより、響きや余韻を出来るだけ多くミキサーに渡したいといったところです。
 今のところ、圧倒的な変化が起こっている訳ではありませんので売りは弱いですが、繊細な響きや余韻といったDI-1が苦手なところは改善されています。演奏者からすればこの辺りが大事だと思うので良い変化だと考えていますけどね。
 最終判断は、手持ちに無かった物を替えてエージングした後になります。

 新規開発や改造などの話は、モノの良し悪しより「誰が評価したか」が重要です。または、成り行きで使い続け、しばらくして以前の物に戻ってみたら物足りなさや不便を感じて意味を発見する、といった物語が必要です。残念ながら、自分の価値基準でゼロベースの評価をできる人は極めて少数です。ですので、社内でプレゼンすることは労力の無駄かもしれませんw
 誰に試作品を送ろうかな・・・

#音の世界
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 秋月電子通商さんからコンデンサが届きました。お昼休みのお遊びで交換。
 エージングはこれからですが、DI-1の欠点だと思う響きや余韻の鈍さが驚くほど改善されました。ガットギターやアコースティックギターの音が気持ちいい。
 もちろん、ハイ上がりで尖った音ではありません。柔らかくて自然な明瞭さのある音です。

 オレメモですが、以下が交換した部品です。

● オペアンプ
 MUSES02D(変換基板使用)
● コンデンサ
 C1 フィルムコンデンサー 0.01μF50V ルビコンF2D
 C2 オーディオ用無極性電解コンデンサー10μF25V85℃ ニチコンMUSE・ES
 C3 オーディオ用無極性電解コンデンサー10μF25V85℃ ニチコンMUSE・ES
 C5 オーディオ用無極性電解コンデンサー47μF50V85℃ ニチコンMUSE・ES
 C6 オーディオ用無極性電解コンデンサー47μF50V85℃ ニチコンMUSE・ES
 ※ C1~C6は基板上の部品名です。

 送料は除きますが、部品総額3,800円くらいかな?
 変換基板は手前設計の中華製造ですけど。

 C1も無極性電解コンデンサーにするか悩みましたが、ハイインピーダンスのピックアップと直結しますから高レスポンスなフィルムコンデンサーにしました。元々もフィルムコンデンサーです。このフィルムコンデンサーは低ノイズ・高レスポンスなので調光回路に使っても良かった物です。なので手元にあったのですけどw
 今日交換したのはC2とC3です。オペアンプの入力部に使うバイアスフィルタコンデンサですが、コンデンサの中で最も変化が大きかったかもしれません。
 なお、C2とC3は耐圧25v以下の物でないと基板に入りません。C1、C5、C6はファンタム電源に曝される可能性があるので耐圧50vの物でないと壊れると思います。

 MUSES02Dに替えてもイマイチ改善しきれなかった音の響きや余韻が改善しましたので、オペアンプはそのままにコンデンサだけ替えてもいいかもしれません。上記のコンデンサを全部替えても130円ですし、付け替えも普通にハンダゴテが使えれば簡単に出来ます。純アナログの部位なので、良い部品にすれば必ず良い結果になるとは言えないのですけどね。

 憑き物が落ちて肩が軽くなった気分です。

追記
 C2とC3を別なコンデンサにしました。原因は不明ですが、時間経過と共に音に張りが無くなったためです。
 次のコンデンサにしたところ、高域がまろやかで伸びのある音になりました。
 C2 オーディオ用電解コンデンサー10μF35V85℃ ニチコンMW
 C3 オーディオ用電解コンデンサー10μF35V85℃ ニチコンMW

#音の世界

■当面の課題

桜のライトアップの季節です。花粉症の季節でもあります。
自分は平気ですが、花粉症の部下は死にそうな顔をしています。

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2024年4月28日(日) 10時15分49秒