🗐 電装工芸日記 - 舞台照明機器の製作とか -

能登半島地震で被災された方々にお見舞い申し上げます。

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No.773

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 ディナーショーの段取りをしていて思い出す。クセノンピンが不調なことを・・・。
 症状はダウザーの動きが悪いこと。レバーが重く引っかかる。ダウザーでのフリッカーなど絶対無理なコンディション。ダウザーでフリッカーをするのが良いか悪いかはさておき。
 バラすしかないのでバラしました。アイリスをバラすのは職人技なのでやりませんが、ダウザーならナンとかいけます。
 で、バラして驚いた。正直不良です。購入したのは20年前ですから今更クレームは出しませんが、設計ミスと組み立てミスです。
 不良部位は2つ。
 1つ目はダウザーのブレード。1枚が2枚の鉄板をリベットで貼り合わせて構成されていますが、そのリベットがほんのわずかに出張っていました。アルミ製の筐体には擦れた跡というより溝が掘られており、クロームメッキしてある円盤にも擦れた跡がありました。リベットと削れたアルミ面をサンドペーパーで均し、クロームメッキされた円盤を清掃して解消しましたが、錆びて固着しないことを祈るばかりです。
 2つ目は、ちょっと説明が難しいのですが、操作レバーと円盤を繋ぐアングルを止める皿ネジのアタマがアルミ製の筐体と干渉していたことです。円盤に皿穴が掘ってあるのですがコレがほんの少し浅いらしくネジのアタマがわずかに出張っていてアルミ製の筐体と擦れるのです。出張りはクロームメッキの塗膜分って感じです。擦れていたアルミ筐体側を削ることで解決しましたが、黒い塗装が剥げアルミがガッツリ掘られていました。これは設計不良としか言いようがありません。更に、2台の内1台はこの皿ネジの頭がナメてバリが出ていました。皿ネジはプラス穴ですが、初めてバラした部位にも関わらずです。これは明らかな組み立て不良です。
 ウシオさんに喧嘩を売る気はありませんが、ここは正直に書こうと思った次第です。時間に追われていたので写真を撮ってませんから証拠はありませんケド。

追記
 修理したダウザーは絶好調でした。
 削ったところにサビが出てこないか今後の心配はありますが、ブレードはステンレスっぽいし、筐体はアルミ、円盤は肉厚のクロムメッキですから大丈夫かなと。
 間違ってもブレードに塗っちゃいけませんが、円盤の外周と筐体が接する部分にはウェアグリスを少しだけ塗布しています。近所のホームセンターで手に入る最も耐熱性の高い(200℃)物です。グリスは温度条件を越えると柔らかくなって垂れるか固着するので選択や用法に注意が必要です。
 一般的な印象としてはモリブデン系のグリスは耐熱性高いと思われがちですが、モリブデンそのものは耐熱性が高いものの、それを含ませている油分の耐熱性がそれほど高くない製品(120℃程度が一般的)が多いので注意です。モリブデングリスはモリブデンの粒子が球状のために細かなベアリングとなって面の間の平滑を行いますから一般的なグリスとは機能が違うのです。
 ウェアグリスは耐熱性の割りに安価で汎用的に使えて便利です。高速回転系にはあまり向いていないようですけどね。何にしてもムービングライト等のスポットライトのメンテナンスでは汎用的に使えます。もちろん、受熱を考えずに油分を塗布するのはいけませんケド。

#器具の修理

■当面の課題

桜のライトアップの季節です。花粉症の季節でもあります。
自分は平気ですが、花粉症の部下は死にそうな顔をしています。

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2024年5月4日(土) 05時49分51秒