🗐 電装工芸日記 - 舞台照明機器の製作とか -

能登半島地震で被災された方々にお見舞い申し上げます。

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全年2月27日の投稿(時系列順)[4件]

2022年 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

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 キーボード、モニタ、ネットワークなど、ハードウェアとのやり取りを先に進めていますが、ボチボチ本丸であるパッチ機能の具体的な作りもまとめ始めています。
 パッチ機能はマッピングファイルに従って入力を出力に置き換える作業なのでアルゴリズムに難しいことはありませんが、十分な速度を得られるかが難しい課題です。
 DMX512は1スロットあたり44usecです。100万分の44秒ってことですが、8ユニバース扱うなら100万分の5.5秒以内に1スロットを確実に処理しなければなりません。RaspberryPi4BのCPUクロックは1GHz以上であり、それが4スレッドありますから間に合うような気もするのですが、確認しながら工夫していく必要があると思われます。
 なんの工夫もなくPythonを動かすとCPUは1スレッドしか使われません。RaspberryPiでは能力の1/4しか使えないってことです。CPUの能力を最大限使おうとするなら、実行ファイルを複数に分けてOSレベルでプロセスを分けるか、Python内でmultiprocessingを定義して複数のCPUスレッドがPythonの処理を請け負うように仕向けないといけません。
 multiprocessingの使い方はThreadingと似ているので難しいことは無さそうですが、こういったちょっと深いところをちゃんと書かないとRaspberryPiでパッチマシンは厳しい感じです。

#Python #[Art-Net]
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 先日書いた謎のオレメモ

 np.abs( np_array_dt - ( datetime.datetime.now() - datetime.timedelta(seconds=0.1) ) ).argmin()

 これはDelay機能で重要な処理です。
 日時の配列(np_array_dt)の中から、現在日時から一定の時間を差し引いた日時に最も近い日時を項に持つIndexを得ます。

 Delayを構成するにあたり、受信値に日時を付けて数世代のデータを保存し、少し前の入力値を使います。出力を遅らすのではなく入力を遅らすのです。
 パッチはパッチマップに従って入力スロットの値を出力スロットにコピーしますが、コピー元の入力スロットを探すアドレスに受信世代のインデックスも持たせれば1フェーズでパッチとDelayの処理が完了します。コピー元のアドレスの表現を「何秒前の何番LINEの何番スロット」とするワケです。Titan系からのパクリですが、LINEとはDMXの内部系統のことです。8ユニバースを扱う構想ですから8LINEあります。内部系統に入出力先をパッチするのは言うまでもありません。
 意味合いとして正しいのはパッチが済んだデータの出力を指定時間遅らすことだと思いますが、入力を遅らせてもその様に振る舞うならいいかなと。

 そもそも反応が鈍い劇場の調光装置と反応が鋭い機器をワンボードで操作しても明かりの変化を一斉にさせたいという要望からのDelayです。カットインをカットインにしたいだけで、照明効果を作るエフェクトではありません。
 ですから、厳密に設定時間分遅らせることが目的ではなく、全体が同じタイミングで動いているように「見えれば」いいので、入力の世代を管理する方法で十分だと思うのです。

 「少し前の日時のインデックス」を見つけるのが謎式の正体です。

 ちなみに、時刻を使わず日時を使う理由は、深夜24時、日付が変わる瞬間に必ずエラーが起こるからです。0時0分0秒付近でほんの一瞬ですが、設定可能な最大Delay時間前のデータが出ます。Delay最大値が1秒なら1秒前のデータが出てしまうのです。一瞬のこととはいえ、こんな潜在エラーがあったらカウントダウンの現場では使えません。

#Python #[Art-Net]

2023年 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

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 中華電機ムービングの筐体が割れています。アッパーボックスの樹脂パネルです。これを修理します。
 樹脂の補修は材質を把握するのが第一歩です。材質によって治し方が違うからです。
 材質の判断は匂いで見当を付けて溶剤もしくは接着剤で溶解具合いを見るのが基本です。今回のはABSでした。

 ABSどうしの接着ならコレが基本でしょう。セメダインの「ABS用」です。
 接着には様々な方法がありますが、これは「溶着」です。材を溶かして結合させます。
 面積のあるABSどうしの接着ならコレを両側に塗って貼り合わせればほとんど場合十分です。
20230227200529-admin.jpg
 今回のブツは肉薄なので肉盛りして補強した方がいいみたいです。破断面がキチンと嚙み合いませんので歪みというか応力がかなり残っているようです。今回の破損も衝撃が引き金だとしても応力のために割れやすくなっていたとも思われます。加熱して応力を取ることも出来るそうですが、職人技なので私には無理です。
 こういう時にはプラリペアです。樹脂材全般に使えますが、ABSとは相性が良いので裏側に盛って補強にします。
20230227201504-admin.jpg
 ただ、単にプラリペアを盛るより接合面に谷を掘って盛るのがお勧めです。
 こんな時、ミニルーターが便利です。私はPROXXONのミニルーターを使っています。
20230227204722-admin.jpg

 ABS用で形を戻し、裏側の目立たないところにプラリペアを盛って補強します。

#器具の修理

2024年 この範囲を新しい順で読む この範囲をファイルに出力する

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 PegasysG10 の修理は残すところ信号コネクタを付けるだけです。重作業はアタマを完全に入れ替えないと出来ないのですが、信号コネクタの取り付けなら空き時間に進めることも出来ます。部品や工具を仕舞って次の作業にかかります。

追記
 NG灯体は復活したのですが、これからは現役で動いている灯体のケーブルを付け直さないといけません。電源線を2PNCTのTRUE1、信号線を4E6SのSP13にするのです。
 これが約27台。NG品ではないものの、同様に全バラ再組み上げなのでそれなりに時間がかかりそうです。
 ここまでやれば10年、私が現役のウチは動いてくれるかな・・・。

 SP13は端子部、筐体、ケーブルクランプの3要素で構成されますが、それぞれの接続が捻じ込み式。使ってると緩んできますので固定を考えないといけません。
 願わくば、普段使いでは外れない、工具を使って頑張れば外れるというとても都合の良い性能が望ましい。完全接着ではない固定です。
 普通にイメージすると嫌気性のネジロック剤の塗布ですが、ロックタイトや3Mのネジロック剤には金属専用が多い。嫌気性とは空気に触れなくなると硬化する特性を意味しますが、金属イオンも併用して硬化する物が多く樹脂には不向きです。これは選ばないといけません。
 ネット検索によると、条件に合いお勧めされるのはロックタイト425。樹脂の弱接着に推奨されており、瞬間接着剤に分類されていますが数秒ではなく数分で硬化するタイプです。樹脂ネジのロック剤とも謳われています。
 ちょっとお高いですが試してみましょう。近所のホームセンターには置かれていませんのでモノタロウさんに発注。

#器具の修理

■当面の課題

花粉症シーズンも一段落したようで重傷者にも笑顔が戻ってきました。私は原始人なので花粉が酷い日でも鼻の中が埃っぽいなぁくらいにしか感じませんけど。
気温の変化が激しいようですので、みなさま健康管理には注意してください。

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2024年5月10日(金) 06時55分20秒